過去ログ - とある四人の恋愛模様
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55:Until reaching the starting line ◆oEZLeorcXc[saga sage]
2011/08/21(日) 18:00:38.51 ID:rY6iS8KI0

少し薄暗い部屋。

光源はカーテンの隙間から差し込む月明かりだけ。

ベッドの上には二つの人影があった。


「っつーかよォ」


一つは赤毛の少女。

ベッドに仰向けに倒れこんでおり、解かれた髪はざんばらのように広がっている。

広がった赤い髪は白い月明かりに照らされて深い海のような藍色へと変貌している。


「何かしら?」


一つは白い少年。

少女を運び、ベッドに下ろしたまま覆いかぶさり、その体をただ預けている。

その白い髪や肌が白い月明かりに照らされて月そのもののように強く輝いているかに見える。


「今日の格好は俺が言ったからかァ?」

「自惚れないで。そもそもあの服装は仕事用よ。十一次元の演算の関係で」

「前にも聞いた。肌の感覚が演算の邪魔になるどォのこォのってヤツだろ? っつーかアレかァ? つまり空間転移能力者は皆サマ露出狂ですってかァ?」

「そんな事言ってないわよ。それに今日は普通の服でしょう?」


少女の服装は白系のアウターキャミソールにカーキのチノパンツ、既に脱がされているが青いブラウス。

胸が少し開いて見えるのは服のデザインと言うよりは彼女の胸のせいだろう。


「それに貴方こそ普通の服着るのね。今日見てびっくりしちゃったわ」


少年の服はジャケットにジーパン。どちらも黒が主体だが少年の普段着ていた服と比べるとカジュアルでとても普段着らしい。


「そして手馴れてるのね」


夏で薄着とはいえ少年は少女の服をするすると脱がす。

薄暗い中、慣れた手つきで少女に何の負荷もかけぬままするすると衣服が落ちていく。


「はァ?」

「脱がすの上手いのねって言ったのよ」


少女の言葉に少年の手が少しだけ止まる。




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