709: ◆goBPihY4/o[saga]
2011/09/27(火) 01:54:21.48 ID:s6seuxzCo
垣根の精神は慣れない攻撃に揺れに揺れていた。
まともに判断力が働いていない。
考えているつもりでも、思考がまとまっていない。
本人は冷静な気でいたが、実態はまるで駄目。
目の前の事態を、ただ目で追うだけで精一杯だった。
だから、眼前の男の言う事を鵜呑みにしてしまう。
つい先ほどろくでもない嘘つきだと知ったばかりだというのに。
その気になれば、未元物質を操って最終信号に当てられるという。
彼の力で少女を殺せるという。
もう未元物質は使えない。
迂闊に能力を使うと自分に帰って来るかもしれない。
もっと最悪な事に、最終信号を傷つけられるかもしれない。
その状況で、垣根は初めて自分の体だけで闘う事になる。
邪魔をしてくる無能力者と闘う事など初めてだ。
回らない頭でどうにか考え付いたのは、「あのAIMジャマーをどうにかしなければならない」という曖昧な指針だけだった。
「う、おぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああッ!!」
垣根はジャマーを奪おうと、とにかく突っ走り、木原へ飛びかかった。
だが、突進してくる少年を見ても、木原の余裕に変化はない。
手に持ったAIMジャマーを上へ放り投げると、
垣根の拳をいとも簡単にひらりと避けて、カウンターのパンチを叩き込んだ。
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