746: ◆goBPihY4/o[saga]
2011/10/01(土) 22:42:53.65 ID:dMPKH2EJo
「あ?」
『猟犬部隊』は鼻が利く。
木原は場の空気を、その異様さを敏感に感じ取っていた。
勝っているのは、優位に立っているのは彼のはずだった。
だが何かがおかしい。
「未元物質は……世界の物理法則をねじ曲げる」
「太陽光を殺人光線に変えるような……」
「存在するだけで何が起こるか分からない危険な物質」
言いながら、やはり立ち上がる。
足の骨の一本二本くらいならへし折ってやったつもりでいた木原は、それでもその両足で立ち上がった垣根の姿を見て舌打ちした。
「動かさなくても、飛ばさなくても」
「!」
未元物質の『玉』が、宙に浮いたままガクガクと震えていた。
「ただ『在る』だけで何かが起こる」
木原は間に合わなかった。
「テメェ、何を……」
完全に垣根の意識を奪っていれば、この未元物質は消えていたはずだ。
そして、次に起こる爆発も未然に防ぐ事が出来たはずだ。
だが、間に合わなかった。
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