92: ◆goBPihY4/o[saga ]
2011/08/22(月) 19:48:52.89 ID:g2nhK56+0
その様子を見て垣根は考える。
(やっぱり戦闘の経験はほとんど無い素人か……だがそれでも『未元物質』を反射して見せたってのは事実)
(むしろズブの素人状態で俺に攻撃されて生き延びているってのがとんでもねえんじゃねえか?)
おもしろい。
再びそう呟き、垣根は追跡を開始した。
羽を広げ、地面を蹴る。
『未元物質』の翼は、彼に乗用車を軽々越える速度を与える。
『一方通行』と『未元物質』。
この二つの能力のどちらがより優れているにせよ、二人の人間にはそれとは無関係に大きな差があった。
それは、精神的な経験値。
垣根はとっくに慣れており、他人の死にいちいち驚いたり怯えたりしない。
しかし一方通行は、小学生の頃攻撃してきた人間をやむを得ず返り討ちにしてしまった時以来、
人の死に関わった事がなかった。
彼は五年間ぬるま湯につかって来た。
優しい温度に包まれて呑気に生きる事は、努力によって手に入れたレベル3の特権なのだ。
高位能力者の過酷な運命など願い下げだった。
1002Res/479.13 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。