944: ◆goBPihY4/o[saga]
2011/10/20(木) 02:10:01.84 ID:MRvS0dfYo
対して、その様子を克明に覚えているらしい木原は、興味津々でヒューズ=カザキリのプロフィールを読み漁る。
「ミサカネットワークで強制転換させたAIMの集合体……大体は予想どおりか」
「日本語使ってもらえませンかね?」
「え? お前日本語分かんの?」
バカなのに? と目で尋ねられ、さてここで何と切り返せばこいつを挑発できるだろうかと一方通行は考えたのだが、
木原の方はほとんど一方通行の方には意識が向いていないようだった。
ヴェーラの報告書に夢中になっている。
「ローマ正教の科学的開発機関『魔術』の技術を応用し……って嘘つけ。自分で考えたんだろうが」
文字を追いかけながら突っ込みを入れる。
ただ、学園都市の科学者がゼロからこの理論を構築したのではなさそうだ。
書いてあるとおり、『魔術』の応用だ。
アレイスターは、魔術的な考え方を科学の方に転用して、あの天使を作り出したのだ。
「デフォルトでは風斬氷華という名前で、高校生くらいの女子生徒の形態を取っている、と」
「アレで普段は女子高生なのか」
「最終信号にウイルスをブチ込むとそれが天使に早変わりってわけだ」
九月三十日は、強力な侵入者が現れて、緊急事態だった。
それで最終信号に手を出して垣根の逆鱗に触れたのだ。
一方通行は、今やっとあの日の顛末を理解した。
そして彼は、木原が『ANGEL』のスクリプトを自分のコンピューターに隠し持っている事を知っている。
最終信号を拉致する前にコピーしたらしい。
抜け目がない男である。
あれでまた何か遊ぶ気なのだろう。
考えている一方通行の横で、ヴェーラが身動きをする気配があった。
「喜んでもらえました? 良かったです。では、私は調査の続きに行きます」
「……」
木原は、退室するヴェーラに手だけ振って答えていた。
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