547:第E話―――サーシャ「とりあえず、ホームセンター行きたいです」 香焼「仕事で来たんでしょ」[saga]
2011/09/15(木) 00:25:47.33 ID:AWvx1/jf0
進行役の修道女は話を続けた。
クーニャ「予想では、ウクライナのウポル系かルーマニアのヴァルコラキ系の『妖』かと思われます」タラー・・・
ワシリーサ「要は吸血鬼の類ね。まぁでも……それを模した魔術師の仕業でしょうけど」フフフ・・・
ウポル……変身能力と馬を乗りこなす能力をもっている。普通、馬は吸血鬼を嫌うのでこれは珍しい種類とされる。
ヴァルコラキ……多くの伝承が残されており伝承によって姿も能力もまちまちである。悪霊や妖怪の総称と捉えた方がわかりやすい。
犬、竜、青い顔をした人間の姿だったり魂を肉体から遊離させて空を食い荒らし日蝕を起こすともいわれている。
洗礼をうけないもの、不浄な行いをしたもの、未婚の母から生まれたもの、
真夜中にろうそくなしで糸を紡いだ女性などヴァルコラキになる理由も実にいろいろある。
ふと、吸血種専門の戦闘修道女が手を上げた。
アスワン「質問を。< >の行動は夜?」フム・・・
クーニャ「不明です。ただデイウォーカーでは無いのではと……隊長が」チラッ・・・
ワシリーサ「うーん。というか死霊魔術(ネクロマンサー)な気もするのよねぇ」
アスワン「死体を操って……人を喰らわせていると?」
ワシリーサ「さぁ」フフフ・・・
あの糞ババア……何か知ってるくせに、隠してるな。
クーニャ「え、えっと……実はローマも動いているそうです」ポリポリ・・・
スクーグズヌフラ「はぁ!? 管轄違いじゃない。何で首突っ込んでるのよ!」ジトー・・・
クーニャ「わ、分かりませんよぅ」タラー・・・
ワシリーサ「まぁローマも……一枚岩じゃないもの。『誰かさん』が勝手に動いたんでしょ? 異端排除とかの目的で」フフーン
正教会然り、聖堂騎士団然り、番号課(ナンバーズ)然り……神の右席然り。
我が国の軍事政治と同じで面倒臭い連中だ。
クーニャ「ええっと……それで……その」アタフタ・・・チラッ・・・
スクーグズヌフラ「何よ。早く言いなさい」ジー・・・
クーニャ「は、はい……隊長ー……自分で言って下さいよぅ」タラー・・・
ワシリーサ「あーはいはい。弱虫クーちゃん……じゃあ発表しまーす」コホンッ
いきなり立ち上がり、冷淡な声で告げた。
ワシリーサ「ローマは今回の件を『吸血種』の仕業と断定した……って御爺ちゃんが言ってたわ」ニコニコッ
御爺ちゃん……マタイ=リースの事だろう。
それに気付いた面々は『また勝手な事を!』とか『メル友感覚で重要機密聞き出したんだろ!』とかワシリーサを罵倒する。
重鎮面々はいつもの事だと、内心苦笑するだけに留めた。
1002Res/1177.93 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。