30:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank)[sage]
2011/08/28(日) 02:30:51.94 ID:7L728IKno
元々、自分の中に不安はあった。
いつか誰かにばれてしまうんじゃないかって。
だけどなるべく気にしないようにして過ごした。
学校でも、外でも、家でもずっと。
それに、さわちゃんがいつも『大丈夫』って言ってくれてたから気にする必要なんてなかった。
まるで心の中を見透かされているような質問に思わず眉を顰めてしまう。
「一緒にいたいに決まってるよ……」
そう言って縋りつくようにさわちゃんに抱き着くと、優しく髪を撫でられた。
だけどしばらくして髪を撫でる手が止まった。
「前と比べるとね、唯ちゃん変わった。大人っぽくなったし、それに……」
私の目を見ながらさわちゃんは言う。
「嘘吐くの上手になった」
どくんどくんと心臓が鳴る。
ぎゅっと目を瞑って違う違うと何度も自分に言い聞かせる。
初めはそれでよかった。
嘘が上手くならないとさわちゃんと一緒にいられない。
だから、いつの間にかそのことばかりに気を取られていたんだと思う。
私は不器用だし、何より二つのことを上手くできないから。
だけど、嘘が上手くなっていく自分が怖かった。
そしてもしこれまで積み重ねてきた嘘がばれたとき、私とさわちゃんは一体どうなるんだろうという不安。
全部、私の我儘だ。
わかっているのに、我慢できそうにない。
自然と涙が溢れてくるのがわかった。
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