51:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank)[sage]
2011/08/28(日) 04:13:53.51 ID:7L728IKno
その日の放課後はみんなで他愛のない話をした。
いつもの放課後だ。
そうだ、こんな感じだった。
みんなといる放課後ってこんなに楽しかったんだ。
みんなといる空間の心地良ささえも忘れていた私は、よっぽど周りが見えていなかったんだと思った。
帰り道、いつもの場所でりっちゃんと澪ちゃんと別れようとしたら、りっちゃんが澪ちゃんに両手を合わせて何か言った。
澪ちゃんはりっちゃんを見て頷くと「じゃあ唯、また明日な」と言って一人帰って行く。
それを見たムギちゃんとあずにゃんも私たちに手を振って背中を向けた。
「りっちゃん?」
「今日は唯とデートしたい気分なんだよ」
意味ありげな含み笑いを浮かべながら、「別れたんだろ」とりっちゃんは言った。
「なんか……ごめん。私が別れさせたみたいになって」
「ううん、仕方ないよ。それに……さわちゃん、お見合いしたんだって」
「……お見合い?!」
閑静な住宅街にりっちゃんの声が響く。
りっちゃんは慌てて口を手で塞いだ後、「それってマジなのか?」と聞いた。
頷くと「まあさわちゃんもいい年だしな」と言ってりっちゃんは笑った。
しばらく歩いていると、不意にりっちゃんが口を開いた。
「……だけど、唯」
りっちゃんの真剣な表情に思わず言葉が詰まった。
足を止めるとりっちゃんも立ち止まり、そして私に言った。
「唯はもういいのか?」
「え?」
「諦めるのか、ってこと」
どういう意味だろうとりっちゃんを見ると、困ったように笑っていた。
「別れさせたくせに、って思ってるだろ」
「……思ってなくはない」
本音を言うと、りっちゃんの言葉がなければあのまま関係を続けていたと思う。
それが良いことなのか悪いことなのかはわからない。
少なくとも、当人同士の問題ならば前者で、他人から見れば後者なんだろうけど。
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