52:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(不明なsoftbank)[sage]
2011/08/28(日) 04:19:14.08 ID:7L728IKno
複雑な気持ちに何にも言えないでいると、りっちゃんは悪戯気に言った。
「んー、だけど私は『最低でも唯が卒業するまでは』って言ったからな?」
その言葉にはっと顔を上げるとりっちゃんは微笑んだ。
「言わなかったけどさ、今日、さわちゃん学校休んでるよ」
「……え?」
「部室にも来なかっただろ?」
確かに今思えば今日、学校で一度もさわちゃんを見なかった。
私に周りを見るそんな余裕がなかったっていうのもあるけれど、りっちゃんの言葉に気付かされる。
「私はそれでお二人さんに何があったか確信したんだけど」
そう言って空を見上げるりっちゃんにつられて私も上を向いた。
もうすっかり日が暮れてしまっていた。
昨日、さわちゃんのマンションから帰るときも同じ色の空を見た。
別れ際に見たさわちゃんはいつもと何にも変わらなかった。
私はずっと泣いていたけど、さわちゃんはそんな私をただ宥めるだけだった。
あんなに私のこと子供扱いしてたくせに。
さわちゃんのほうがずっと子供じゃん。
やっぱり大人の心は読めない。
急に橙色の空が滲みだして、これじゃダメだとぐっと目頭を拭う。
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