533:1[saga]
2012/03/04(日) 15:38:11.64 ID:7s5pwasZ0
「残念だけど、心当たりは無いわね。
そもそも私は長い間入院してるから、あまりそういうのに詳しくないのよ」
「そういやそうだったね」
「じゃあさ----」
まどかが口を開く。
その途端に、ほむらの視線がまどかに向けられた。
まどかは病室を訪れた時から既に若干疲れたような顔をしていた。
発言も少なく----もしかして疲労困憊なのに無理して来てくれているのでは----と、ほむらは心配になっていた。
だが、そんなことはなかったようで、ほむらは安堵する。
「----退院したら、一緒に映画を観に行こうよ。
今、わたしも協力しててさ、いろいろ映画の情報を集めたり、観に行ったりしてるんだ。
それでね、やっぱ二人よりも三人で観に行ったほうがとっても楽しそうだなって」
まどかの提案に、一瞬、ほむらは返事をすることを戸惑った。
仮にさやかが前の時間軸の記憶を継いでいるとしたら、その記憶にある映画は偶然が重なってできた、絶対に見つからないものだ。
何とか、遠まわしに『そんな映画は実在しない』と悟らせられないだろうか。
----だけど、まどかからの頼みだ。
断るわけにはいかない。無碍にはできない。
それに、またまどか達と映画を観に行くのは楽しみでもある。
「私でよければ一緒に行かせてもらうわ」
「本当?!」
「ええ。約束するわ」
「……あっ……!!」
ほむらの口から約束という言葉が出た瞬間、さやかの表情が曇った。
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