120:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/09/05(月) 01:07:22.46 ID:wbDVTs5Go
「なあ」
少ししてから、何の前触れもなくヤマトは口を開いた。
彼はその声音に恐怖を抱く。この感覚はなんだろう?
「おまえは、これからどうするんだ?」
声が耳に届いて、頭が意味を理解する。ごく短い時間で行われる情報の処理。
ムラサキにもされた質問。その質問の答えを聞いて、ヤマトはどうするつもりなのだろう?
彼は考え込んだ。これからどうすればいいのだろう? 未だにその答えが見つからない。
あるいは答えなど、ずっと見つからなくてもいいのかもしれない。
それでも考えて、考えて、できる限りの答えを返そうとする。
でも何も浮かばない。いつもそうだ。考えることは何も生み出さないのだ。
とにかく行動して、行動して、行動することでしか道は開かれない。
仮に、考えて、考えて、考えることで何かの道にたどり着いたとしても、それは彼が目指す場所に向かうものではないのだ。
「分からない」
しばらくの沈黙の後、彼は答えた。
いつもの自問自答と同じ答え。でも意味は決定的に違った。
もう考えない、と、彼は答えたのだ。
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