60:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2011/08/31(水) 19:20:17.69 ID:mBLofP+Zo
彼の不安を裏付けるように、日常に回帰してしまうと、いつもの退屈じみた暗い気持ちが蘇った。
我ながら面倒な奴だと自嘲する。あと四日ほど乗れば仮免許試験を受けられるが、彼は予約をなるべく詰めずに入れた。
教習車に乗って隘路を走る。こんな道、実際にあるだろうかと考えると、なんとなく無意味なことをさせられているような気分になった。
坂道発進、踏み切り、信号、車線変更。
ぐるぐると目的地もなくルートを走る。
ぐるぐると回り続ける。何の意味もないようなことを続ける。
時折停まり、また走り出す。そのうち疲れ果てたように停まる。中に誰もいなくなる。
気付く。それは生活に似ているのだ。朝起きて、昼に動き、夜に眠る。
部屋の扉を出て、廊下を歩き、階段を下りて、リビングに向かい、コーヒーを入れて、
リビングから出て、階段を登り、廊下を歩き、部屋に戻り、鍵を閉める。
ひとつの繰り返し。延々と続くループ。変化のない生活。
それは果てのない螺旋階段を登っているようなものだ。
回転している。降りている。登っている。あるいは沈んでいる。浮かんでいる。ここはどこだろう。
自治スレッドでローカルルール変更の話し合い中
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