89:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2011/09/03(土) 00:54:00.29 ID:mg8F6dwRo
不意に肩が叩かれる。既視感が頭をよぎる。案の定、振り向いた先にいたのはヤマトだった。
腹の底で暗い感情がとぐろを巻き始める。彼に会うたびに沸くこの感情はなんなのだろう。
彼は内心の悪意を気取られぬように表情を意識的に固くした。
彼の感情の動きに気付かなかったのか、ヤマトはごく自然に世間話を始めた。
以前会ったときとどこか違って見えるのは錯覚だろうか。
学校をやめてから何をしていたのだとヤマトに聞かれ、彼は少しだけ戸惑った。何もしていなかったからだ。
正直に答えると、ヤマトは怪訝そうな表情を浮かべた。
「なにも?」
「なにも」
本を読んで、ネットをして、せいぜいそのくらいだ。
堂々巡りの袋小路。あの生活を思い出すと、彼は少しだけ気分が落ち着くのを感じた。自分は前に進んでいる。
ヤマトは表情を強張らせた。いったい何を考えているのだろう。
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