690:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(チベット自治区)[saga]
2012/11/10(土) 10:59:32.12 ID:W/yi8QML0
「それは違う」
商人「ん?」
後ろの歩道からやってきた者が、独り言に口を挟んだ。
「あの男は、ポーションや薬に手を出してるわけじゃねぇ」
商人「そうなのか?」
「ああ、奴の髪を見てみろ」
遠目に眺める。揺れる細い、ウェーブした白髪。
商人「……白髪だな、見事な白髪だ」
「ただの副作用や精神疲労だけでは、あそこまでの白髪にはならない」
商人「へぇ?」
「あれは“憑き物”が原因だ」
商人「なんだそりゃ、ゴーストか何かかい?」
「教えてやりたいとこだが悪いな」
言葉を言い終わると同時に、黒い外套の中から腕が伸びた。
商人「ぐッ……!?」
「オレと口訊いた奴は生かしちゃおけねぇんだ、悪いな」
彼が握っていたものはナイフ。青く、半透明の宝石のようなナイフだ。
その半分以上が男の心臓に突き刺さり、真っ赤な血を溢れさせている。
商人「な……なぜ……」
「知らねぇのか?最近有名なんだぜ」
黒衣「暗殺者」
深く被ったフードの下の顔は定かではない。
だが、僅かに覗く目は、黒く塗りつぶされている。
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