過去ログ - 御坂「ただの道化ですよ、とミサカは自己紹介します」
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1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2011/09/07(水) 16:40:27.28 ID:ovrJyVKn0

【1】超電磁砲と呼ばれる少女


「道化もここまでくると実に滑稽だな」

 サングラスの奥に潜む鋭い眼光が少女のど真ん中を射抜いた。
 染めているのか色を抜いているのかは定かではないが、男の髪は日本人離れした金色で、ワックスで軽く整えられている。
 金糸の髪は沈む橙の夕陽の日差しを反射しきらきらと輝く。

 暇つぶしと言わんばかりに、親指と人差し指で自分の髪をもて遊ぶ少女の眉間に皺がよる。
 指先に絡まる髪束の中に枝毛が数本ある。
 染色もパーマしない毎日のトリートメントも欠かさない等、人並み以上の努力を重ねているつもりだったのに、
 染めるだけ染めて(若しくは脱色して)、それ以外は大方野放し状態であろう目の前の男よりも、
 途方もない労力が注がれた少女の茶髪のほうが痛んでいるのは明かだった。

「神様ってのは本当に不公平よね」

 相応の対価を支払い努力を積み重ねたもの程、満足する結末を与えてくれない。
 
「だから、嫌いよ」

 少女は呟き、く髪を絡め取る指をくるりと回した。



2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/09/07(水) 16:44:07.95 ID:NcXFZ4ZF0
ぼくたちは、なかよく>>1乙してるよ 
                        ∧_∧
                   ===,=(´・ω・ ) >>1
                   ||___|_゚し-J゚||_
                ∧_∧/ //.___|^∧_∧
以下略



3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2011/09/07(水) 16:48:26.41 ID:ovrJyVKn0

 重力に従って、若干不健康気味なことが証明された髪がパサリと流れる。

 男は少女の世迷言に付き合ってやる義理もないと、
 成立しそうにない会話のキャッチボールを早々に諦め己の聞きたいことだけを一方的に言葉にした。
以下略



4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2011/09/07(水) 16:57:36.82 ID:ovrJyVKn0

 自分が空回りで舞い続ける地面の土台が、またひとつ、ぐにゃりと曲がる感覚が背筋を走る。
 ゾワリと虫が肌の上を這うような肌触りが可笑しくて仕方ない。
 また一人、少女の名を呼ぶ人間が減った。
 こうやって、個体を選別するために割りふられた識別記号は過去の産物へとなり果てていくのだろうか、と他人事のように納得する。
以下略



5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2011/09/07(水) 17:07:18.84 ID:ovrJyVKn0

「…………そうか」

「そうよ」

以下略



6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2011/09/07(水) 17:14:19.94 ID:ovrJyVKn0

「残念、か」

 『超電磁砲』は男の台詞を復唱したのち怪訝な面持ちで男を見やる。

以下略



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