133:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/09/13(火) 18:54:51.20 ID:DxpWShSbo
己を見失いそうになっていた私だったけど、唯先輩の優しくて、そしてどこか心強い声を聞いている内に、段々と気分がほぐれてきていた。
直接リアルタイムで話していないし、お互いの顔も知らないのに、その声だけで暖かい気持ちになってくる。
同時に私の中である想いが湧き出てきてきた。
――ちゃんと生きて笑ってくれてる唯先輩に会いたい。
――唯先輩と同じバンドでツインギターで同じステージに立ちたい。
――今度は2人で鎌倉の海岸に遊びに行きたい。
――一緒に同じ高校で毎日楽しく過ごしたい。
私の願望は心の中でより強くイメージされ、祈るように病院の外に広がる青空を見上げる。
唯『あっ!』
突然素っ頓狂な声をあげる唯先輩。
もしかして……いや、そのまさかだった。
唯『見つけたよあずにゃん!今横断歩道の反対側で信号待ちしてる!』
梓『本当ですか!?でも、どうやって私の居場所を!?』
唯『あずにゃん、前にQBのストラップ気に入ってて鞄に付けてるって言ってたよね?』
そういえば少し前にそんな会話をしていたな……取るに足らない与太話で私はすっかり忘れてたけど、唯先輩はしっかりと覚えていたんだ。
時計を見ると長針は丁度真下を向いていた。
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