133:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/09/13(火) 18:54:51.20 ID:DxpWShSbo
己を見失いそうになっていた私だったけど、唯先輩の優しくて、そしてどこか心強い声を聞いている内に、段々と気分がほぐれてきていた。
直接リアルタイムで話していないし、お互いの顔も知らないのに、その声だけで暖かい気持ちになってくる。
同時に私の中である想いが湧き出てきてきた。
――ちゃんと生きて笑ってくれてる唯先輩に会いたい。
134:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/09/13(火) 18:55:51.49 ID:DxpWShSbo
唯『横断歩道の向こう側で青い鞄を前に出して中をガサゴソしてる子が見えたの。その子の鞄にQBが付いてた……間違いない!あれはあずにゃんだ!』
梓『先輩!もう30分です!時間がありません!』
唯『もうそんな時間!?あずにゃん、私行くよ!』
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2011/09/13(火) 18:56:34.19 ID:DxpWShSbo
――あれから半年後
この日私は鎌倉に足を伸ばした。
今は駅の前で1人で佇んでいる最中だ。
もう9月だというのにまだまだ残暑が厳しく、私は何度もタオルで額の汗を拭う。
136:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/09/13(火) 18:57:03.69 ID:DxpWShSbo
梓「9時10分、か……はぁ」
携帯のモニターで時間を確認した私は小さくため息をついた。
梓「うん?メールが着てる……純と律先輩からだ」
137:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/09/13(火) 18:57:58.73 ID:DxpWShSbo
ちょっと中断
ほとんど書き溜め終わってるので今日中に終わる予定
138:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/09/13(火) 19:25:16.17 ID:DxpWShSbo
再開
>>122
元ネタもあんな感じのオチでした
139:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/09/13(火) 19:26:00.95 ID:DxpWShSbo
唯【ごめんごめん、途中で可愛いお犬さんがいて遊んでたらつい遅れちゃった♪】
梓「待っている身にもなってください!それからいい加減離れてください、暑いですから」
唯【えー、今日最初のあずにゃん分補給なんだよぉー、もう少しこのままでー】
140:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2011/09/13(火) 19:27:30.90 ID:DxpWShSbo
あの事故のあった8時30分、私と唯先輩の通話が途切れた瞬間、先輩は横断歩道に踏み出そうとする私に無我夢中で飛びついたらしい。
1時間前の私はいきなり初対面の人に飛びつかれて動転してたそうな。
その直後に1時間前の私がいた場所を暴走した車が走り抜けて、交差点の向こうのビルの壁に勢いよく突き刺さっていったそうだ。
唯先輩の怪我は押し倒した時に少し顔と腕と足を擦り剥いただけで済んだ。
あの時通話が切断されたのは、飛びついた時に頭を打ってしまったショックからだった。
141:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/09/13(火) 19:29:28.79 ID:DxpWShSbo
梓「あの時いきなり電話切れちゃうんですもの。もしかしたら駄目だったのかな、って私本気で心配したんですから!」
唯【私は約束は守る子だって言った筈だよ?それにあずにゃんには貸した借りを返してもらう約束もしてたからねっ!】
梓「そういえばそんな事いいましたね……」
142:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/09/13(火) 19:30:27.39 ID:DxpWShSbo
――――――
――――
――
143:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/09/13(火) 19:32:39.67 ID:DxpWShSbo
唯【思い出せないの?】
梓「ええ……正直自分でも何を考えてたか分からなくて。それで、私は何と?」
唯【「あなたに会いたいです」って……あずにゃんが私と同じ事想ってくれてて感激しちゃって……そこだけ何度も何度も聞きなおしてたの】
144:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/09/13(火) 19:33:20.76 ID:DxpWShSbo
梓「その……唯先輩、今日は大事な話があるんです、少しいいですか?」
唯「……」コクリ
私は唯先輩の目をじっと見つめる。
145:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/09/13(火) 19:33:56.87 ID:DxpWShSbo
こうやって落ち着いた場で改まって話そうとすると却って言葉に詰まってしまい口が動かない。
そんな私を見ている唯先輩は、何も態度には出さず、ただニコッと微笑んでくれる。
それはまるで、私を励ましてくれてるような……そんな表情を見て私はもう1度自分を奮い立たせた。
正直照れ臭い……けど、勇気を出してずっと胸の奥にしまってきた正直な想いを唯先輩に――
146:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/09/13(火) 19:34:25.26 ID:DxpWShSbo
梓「唯先輩!私、先輩のことが大好きです!世界中の誰よりも……あなたのことが!」
梓「だから……これからもずーっと!ずーっと一緒にいてください!」
想いの全てを吐露した私、正直もう思い残す物はない。
147:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/09/13(火) 19:35:17.23 ID:DxpWShSbo
唯【ねえ、あずにゃん】
梓「どうしました?先輩」
唯【今度の学園祭ライブ、私達5人で絶対成功させようね!】
148:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/09/13(火) 19:36:19.37 ID:DxpWShSbo
あの絶体絶命の危機を乗り越えた私達は結果的に前より強く結ばれた……今ならハッキリとそう断言できる。
これから先も色んな困難が待っているかもしれない……けど、唯先輩と一緒なら何が起きても怖くないし乗り越えていける確信がある。
いや……唯先輩だけじゃない――
律先輩、澪先輩、ムギ先輩、憂、純、和先輩、さわ子先生――
今の私にはこんなにたくさんの人が付いていてくれて見守ってくれてる……
149:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/09/13(火) 19:40:32.56 ID:DxpWShSbo
今度こそ本当に終わりです
原作ENDは>>103から
別ENDは>>126からどうぞ
150:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/09/13(火) 20:03:11.36 ID:VEL1FGeDO
乙乙!!!!
やっぱハッピーエンドは良いねぇ〜
151:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/09/13(火) 20:20:30.98 ID:1bi1O9XSO
原作エンドの方、もし梓が最後に嘘をつかなかったら間に合ってたかもしれないと思うと皮肉な話だなぁ
乙でした
152:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/09/15(木) 00:16:34.74 ID:y64mxYY6o
途中まで読んでやめちゃったけど
やっぱりつまらないのは元ネタがつまらないからなんだろうね…
153:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/09/15(木) 00:24:36.73 ID:cwdHi765o
元ネタ映画化もされた名作だぞ
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