過去ログ - 梓「君にしか聞こえない」
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35:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/09/10(土) 00:21:58.02 ID:WE6B+YjAo
――それから数日後の日曜日の朝

梓母「それじゃ行ってくるから留守番頼むわね。夕方には帰ってこれると思うから」

梓「うん」

梓母「戸締りしっかりね」

梓「わかってる、いってらっしゃい」

梓母「いってきます」

 バタン

梓「はぁ……今日は1日留守番か。暇だなー」

 玄関から居間に戻った私の視界にまたあの赤いギターが入る。
 前はすぐに目を逸らそうとしたけど、今は何故かギターが気になってしょうがない。
 私は何かに吸い寄せられるかのようにゆっくりと近づいてネックを持たずに六弦を撫でる。

梓「何年ぶりかな……このギターに触るの……」

 静かな室内に弦を弾く音が聞こえる。
 
梓「……私何やってんだろ、もうギターは弾かないって決めてたんじゃなかったの?」

梓「……変な私」

 私は1人呟いて、ギターを手放して背中を向けた。
 もしかして意識しちゃってるのかな……唯先輩がギターをやってるってことに。


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