8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/09/09(金) 01:11:37.07 ID:iPhPIt55o
―― 中野家
家に帰ってすぐに自分の部屋の引き出しを開けるとそこには何事もなかったかのようにおもちゃの携帯が鎮座していた。
やっぱりさっきのは幻聴だったのかな……だとしたらあの唯って人はなんだったんだろう、私の想像の産物だったとでもいうのかな。
とにかく、電話が掛かってくる5時まで待ってみよう。
それで電話が鳴らなかったら全部私の思い過ごしってことになるし。
――――――
――――
――
もうすぐ5時になろうとしている。
私の視線が腕時計に向く回数が次第に増えていく。
ちなみに「本物の」携帯を持っていないから時間を確かめる手段は今腕にはめているこの腕時計しかない。
こんなものをして学校に通っている生徒も多分私だけだろう。
梓「もうすぐ5時、か。本当にかかってくるのかな」
短い針が5を示し、長い針が12を示し、「5時よ」と時報の声がする。
まだ鳴らない。
いつしか長い針は12を過ぎていく。
そう、結局かかってこなかったんだ。
梓「そうだよね、何私こんなのに本気になってたんだろ。バカみたい……」
と呟いたのと同時に、電話の音が鳴り響いた。
一瞬びっくりしたけど、これは脳内の電話じゃない、家にある普通の電話からだ。
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