160:一年中が田上の季節[sage saga]
2011/11/05(土) 10:11:09.43 ID:0NUq2lV70
梓「――――!!――――――――ッッッッ―――!!!!」
梓は声にならない叫びを上げながら吹っ飛ばされ、廃屋のビル群を次々と突き破った後に、分厚いコンクリートの壁に強かに叩き付けられ、力無くずり落ちる。
基本的な速度(スピード)は、梓が紬を遥かに上回っていた。だが、一撃の拳速は僅かに上回り。そして純粋な『力(つよさ)』は、紬が、遥かに梓を凌駕していた。
梓「…あ、が……ぁ…あ……ぁ……が……かはっ!」
梓は大量の吐血をした後、息も絶え絶えに、それでも自身の状態を冷静に分析する。
左腕の骨、胸骨、肋骨の殆んどが粉々にされ、内臓もかなりの部位が、破裂、損傷している。これではいくらジーニアスの加護を受けていたとしても、到底助かる見込みが無かった。むしろ、即死で無い事が奇跡ともいえる程だと言えた。これでは、一矢報いる事すら不可能だ。
それならば、やる事はただ一つ、紬に見つからぬよう逃げ出して、息絶える前に仲間に知り得た情報と、自身の最期を伝えるだけだ。そして彼女は、ほとぼりが冷めたのを見計らい、最後の力を振り絞って、ずりずりと這いずり始める。
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