過去ログ - 和「ジーニアス?」
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171:一年中が田上の季節[saga]
2011/11/20(日) 14:56:40.28 ID:ClHRfGVM0
 

 憂「梓ちゃん!」

 和「中野さん……」

 憂も和も、梓の余りにも無残な姿に、掛ける言葉が見つからなかった。

 そして、外傷こそ余り見られないものの、その吐血の量と彼女自身のその様子から、唯達は彼女がもう助からない事を理解してしまっていた。

 梓「ゆ…ゆい……せん…ぱい……ご、ごめん……なさい……や…約束…破っちゃい…ました……」

 唯「あずにゃん、喋っちゃ駄目だよ」

 途切れ途切れに、それでも必死に言葉を紡ぎ出す梓を、唯は少しでも助かって欲しいと制止する。だが、梓は首を横に振り、「もう自分が助からないと言う事は自分が一番解っている。だから、最後に話させてほしい」と懇願し、その言葉に唯達は返す言葉が見つからず、梓の好きなようにさせる事しか出来なかった。代わりに唯は、少しでも話し易い様にと、梓の小さいそしてこれ以上ない程に弱々しくなってしまった、身体を慎重に慈しむ様に抱き起こす。

 抱き抱えて、改めて解る。梓の生命(いのち)がもう何をしても消えて逝ってしまうと言う事を……。

 唯は、自分のハンカチを取り出して、梓の顔を優しく拭ってやる。ハンカチはすぐに、血と埃で赤黒く染まっていった。


 





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