過去ログ - 和「ジーニアス?」
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184:一年中が田上の季節[saga]
2011/11/27(日) 20:24:29.65 ID:cXRyHnsb0






 唯達の意識は再び平沢家のリビングに戻っていた。だが、和の隣り、憂の正面に存在して(すわって)いた、ツインテイルの小柄な少女の姿はそこには無かった。

 和は、梓が座っていた所にそっと触れてみる。

 温かかった。そこには微かに、でも確かに人から伝わる温もりがあった。

 和<〖中野 梓〗という存在は確かにここに居たんだ―――>

 そう実感すればする程、和は哀しくなった。自然と目から泪が滲んで来る。

 だが、和は泪が零れそうになるのをぐっと堪える。自分よりも彼女と深い関係にあった、唯と憂が少なくても今は泣いていないのに、もしかすれば泣く事すら出来ない程に放心しているだけなのかもしれないだけど、でもそれなら尚更、自分が今泣く訳にはいかない。

 そして、暫くの間、文字通り通夜の様な時間が過ぎた時、

 憂「和ちゃん。今日は御夕飯食べていって……ううん、今日は泊っていって…お願い」

 と、不意に憂が和にお願いをした。

 和「……分ったわ。じゃあ、今日はもう居るけど、お呼ばれされちゃおうかな」

 和は憂のお誘いに乗る事にした。正直に言ってとても食事を摂れる様な気分ではないが、家族が家に居る和でさえ、今は気持ちがかなり不安定なのに、両親が殆んど家を開けているこの姉妹は尚更だろう。



 





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