過去ログ - 和「ジーニアス?」
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187:一年中が田上の季節[saga]
2011/11/27(日) 20:38:22.73 ID:cXRyHnsb0
 


 和「憂、まさかこれって?」

 憂「うん。これはお酒だよ。ビールとチューハイ、あ、カクテルもあるけど、和ちゃんはどっちが良いかな?」

 憂がテーブルに料理とコップ。そして酒類の缶類を並べながら、何気ない感じで和に聞く。

 和「ビール?チューハイ?あなた達、お酒なんて飲んでいるの?」

 優等生だと思っていた幼馴染の思いもよらぬ行為に、和は驚きを隠せない。

 憂「うん。家はお父さんもお母さんも殆んど家を開けているから、お酒は結構余っているんだ。だから、あんまりと言うか滅多に飲まないけど、何かすごく気分が落ち込んだりした時とかに、お姉ちゃんに付き合って貰って飲んだりするんだよ。へへ…和ちゃん。私、悪いコでゴメンネ」

 憂がばつが悪そうな表情を浮かべると、舌の先をぺろっと出した。

 和「……もう、そんな顔をされたら何も言えないじゃない……」

 和が困った様に肩を竦める。

 憂「へへーやっぱり和ちゃんは真面目だけど優しいね。ねえ、和ちゃんもちょっと飲もうよ。お通夜の時も、夜通し亡くなった人にお酒を飲みながら付き添うみたいだし。もう梓ちゃんや律さんをちゃんとした形で送り出してあげる事は出来ないけど、私達だけでもこんな形だけど送り出してあげようよ…」

 憂の顔が不意に真面目な、そして何処か思い詰めた様なものに変る。彼女は彼女なりにいろいろ考えて、この様な行為を選んだのであろう。

 和「分ったわ。そこまで言われたらもう付き合うしかないじゃないの。でも私、お酒を飲むの初めてだから、多分あんまり飲めないわよ」

 和が溜息交じりに観念した様に言う。未成年である彼女がお酒を飲むなんていう行為は、元来、品行方正である彼女にとって許されるものではないが、こうなったら仕方がない。今日は憂達にとことん付き合おうと思う。梓、そして律への弔いの気持ちも込めて……。

 憂「ありがとう和ちゃん。お姉ちゃんも勿論飲むでしょ。コーラのやつでいいよね?」

 唯「うん。ありがとう憂」

 憂が唯の前にコークハイの缶を置くと、唯が少し元気を取り戻した様に微笑んで妹に応える。




 こうして、平沢家のリビングにて、弔いの意も含んだささやかな酒宴が始まったのだった……。



 


 





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