186:一年中が田上の季節[saga]
2011/11/27(日) 20:32:18.50 ID:cXRyHnsb0
和「さて……」
和はさっきから、一言も喋らない唯に目を向ける。彼女はここ(リビング)にも戻って来た時からずっと、俯いたままだった。
和<あの表情の豊かなこの子が、こうまで塞ぎ込んでいるなんて>
確かにこの短い間に親しかった人を二人も亡くし、しかもその内の一人は他にどうしようもなかったとはいえ、彼女自身が直接その手に掛けている。彼女の苦しみや哀しみがどれ程のものか、当事者の一人である和ですら計り知れないものがあった。
和「唯……」
和が、唯に掛けるべき言葉が見つからないでいると、程なくして憂が料理を乗せたトレイをダイニングではなく、直接、リビング(ここ)に運んできた。和は怪訝に思い、憂とトレイを見やると、トレイには揚げ物や、枝豆、ソーセージと言った料理の他に、見慣れてはいるが、今まで自分とは縁の無かった、缶(もの)が数本トレイに乗っている事に気付く。
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