24:一年中が田上の季節[sage saga]
2011/09/11(日) 22:02:46.02 ID:3F2+R/XM0
唯「そのままの意味だよ。もし死んじゃったら、まずその人本人が、そしてその人と結びつきの強い私物(もの)から、物質的にも記憶からも消えて逝っちゃうみたい。ジーニアスを持つ人以外はその人の事を少しづつ忘れていって終うんだ。それがたとえ家族や親しい人であったとしても……」
和「そん…な……そんな哀しい事……」
和の表情が始めは驚愕し、そして徐々に蒼褪(あおざ)めたものになっていく。
唯「これでもね、和ちゃん。これは神さまのせめてもの慈悲なんじゃないかっていう人もいるんだよ。何も無かった事にすれば、誰も哀しまないって……」
そう言う唯の表情(かお)は和にはとても哀しいものに見えた。
和「哀しいわよ。大切な人が突然いなくなって、それを忘れてしまうなんて哀し過ぎる……」
和は無意識に両掌を鼻から下にあてる。鼻の先がツンとしてくる。気を許したら、今すぐにでも泣いてしまいそうだった。
唯「うん、私もそう思うよ。私だって和ちゃんに、私が死んじゃっても忘れられたくないからね」
唯が悲しそうに微笑む。こんな哀しそうな唯は初めて見る。
和「そんな哀しい事は言わないで、唯。あなたは死なせない。誰であろうと私がそんな事はさせない」
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