266:一年中が田上の季節[saga]
2012/02/16(木) 06:38:32.46 ID:rgrfq0Mm0
和「憂……」
憂「何?和ちゃん」
和「私は間違っていた。必要以上に臆病だった。すべき事を放棄していた」
憂「うん。私だって同じだよ、和ちゃん。後悔してる。幾らしても、し切れない位に。でももう遅い。これ以上にかけがえの無い大切なものはもう戻っては来ない……」
和「そうね。私も同じ思いよ。この身が幾ら引き裂かれても全然足りない位、後悔している……」
和「でも」
和「私はもう逃げない。迷わない。戸惑わない。今までは直接降り掛かる火の粉さえ降り払えばいいと思っていた。だけど、それでは駄目だった。大切なものを何一つ護れなかった。その事を思い知らされた」
和「だから私は、私自身が火の粉いえ、『仇』を呑み込む炎の海になる。憂。貴女はどうするの?」
和の瞳に決意の光が宿る。蟠(わだかま)っていたもの全てを振り払った。そんな表情(かお)だった。
憂「訊かなくても判るでしょ?私も一緒だよ和ちゃん」
その表情(それ)は憂も同様だった。
和「判ったわ、憂。私達で決着を付けましょう―――」
和ははっきりと明確な意思と決意を以って、憂にそう宣言した。
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