369:1です。 ◆CIZA6sfEUc[saga]
2011/10/13(木) 00:37:28.36 ID:FH0cS7Uco
109
佐伯さんはぼんやりと、ランドセルを背負ったフレームの中の自分を見つめている。
「この頃は、まだよかったな……」
370:1です。 ◆CIZA6sfEUc[saga]
2011/10/13(木) 00:38:21.94 ID:FH0cS7Uco
110
彼女は片方の唇の端を歪めて笑った。
始めにお義姉さんに見せられた兄の写真と、よく似ていた。
彼女は美人なのに、それはそれは嫌な笑顔だった。
371:1です。 ◆CIZA6sfEUc[saga]
2011/10/13(木) 00:39:02.73 ID:FH0cS7Uco
112
「兄は身なりや話題とか、振る舞いに気をつかうようになって――
登下校のときや、行事なんか――よくついててくれるようになりました。
すぐに女子が目の色変えてすり寄ってきたの、ほんとばかみたいだったな……」
372:1です。 ◆CIZA6sfEUc[saga]
2011/10/13(木) 00:39:48.91 ID:FH0cS7Uco
113
「いつからかお兄さんの中には、女性嫌悪が芽生えた。
妹を苦しめておいて、自分が出てきた途端尻尾を振ってくる愚かしさに。
さんざんひどい扱いをしておいて、妹をつてにして自分と繋がりを持とうとしてきた浅ましさに」
373:1です。 ◆CIZA6sfEUc[saga]
2011/10/13(木) 00:41:15.78 ID:FH0cS7Uco
114
「もちろん、彼も全くの馬鹿じゃなかった。
理性ではふつうの女も、いい女もいるって理解してた。
だけど、どうしても自分によってくる女性が嫌なものに見えて仕方なかったんでしょうね。
374:1です。 ◆CIZA6sfEUc[saga]
2011/10/13(木) 00:41:51.20 ID:FH0cS7Uco
115
「彼は私のところに来て、こう訴えた」
375:1です。 ◆CIZA6sfEUc[saga]
2011/10/13(木) 00:42:31.18 ID:FH0cS7Uco
116
お義姉さんは、本当にすべてを話してしまったようで、沈黙した。
僕も志乃も、何も言えそうになかった。
佐伯さんも、凝り固まったわだかまりに楔を打ち込まれ、どうしたものか戸惑っているようだ。
376:1です。 ◆CIZA6sfEUc[saga]
2011/10/13(木) 00:43:20.22 ID:FH0cS7Uco
117
志乃がきょろきょろする。僕と目があったので、首を横に振って「俺じゃないよ」と伝える。
「――ああ、私のだ。ごめん、親から」
377:1です。 ◆CIZA6sfEUc[saga]
2011/10/13(木) 00:44:32.49 ID:FH0cS7Uco
118
―――――帰路・佐伯朋美と別れた後―――――
日が暮れようとしている。
378:1です。 ◆CIZA6sfEUc[saga]
2011/10/13(木) 00:46:07.89 ID:FH0cS7Uco
119
「事務所に帰ったら祝杯にしましょう。
……あ、祝杯っていっても、酒はだめよ。未成年ズ」
379:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2011/10/13(木) 00:51:55.37 ID:EcED/0RIO
乙
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