533:1です。 ◆CIZA6sfEUc[saga]
2011/11/06(日) 16:28:38.80 ID:FZ3Mlmipo
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猫は警戒する様子もなく、トコトコ歩いてくると僕の足下で腹を出して転んだ。
「ぬうぅ……私が呼んだのに」
「おお、志乃がジェラシーに燃えている」
「なぜだ。春海、どっかで餌付けしたな」
「しないよ――おー、よしよし」
せっかく来てくれたのだから、僕も腹を撫でる。
一通り撫でて、パソコンに向かうが、猫は帰らない。
「あーあ。相手するからー」
「志乃が呼んだんだろー……ちょっと出してくる」
僕はすねに体をすり付けながらぐるぐる回る猫を抱いて廊下に出た。
「ニャーン」
「だーめ。おまえ、きれいだから飼われてるんだろ。おうち帰りなさい」
「ニャーン」
猫は丸い目で何か訴える。
「だめー。おうちの人が心配するぞ。じゃあな」
僕は心を鬼にして、猫に背を向けて部室に戻ろうとした。
「つまんないにょー」
なんだその語尾は。
「はぁ!?」
振り向いたときには、猫はしっぽを上げて、住宅地のある方へトコトコ……
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