935:1です。 ◆CIZA6sfEUc[saga]
2012/06/15(金) 23:00:52.82 ID:BuSy30a4o
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「ちょっと、聞いてる?」
珍しく、お義姉さんが志乃をとがめる。
志乃は聞こえていないみたいに、何やら操作している。
「……おねーさん。これ」
「ああ、台風の――」
お義姉さんは画面を一瞥すると、舌打ちをした。
「台風、苦手なんですか」
「苦手でなんか――。こいつのせいで出歩く人が少なかったから、その夜は空腹で困ったのよ。忌々しい」
「ちょっと吸わせてくれないかしら」と、唇を舐めながら僕に艶っぽい視線をよこす。
「うわああだめだめ!」
志乃が慌てて割って入った。
「で――相談の内容っていうのは?」
「それは……あ、でも妹が何か気付いたみたいだけど」
「ん、やっぱり先に聞く」
志乃は奥歯を噛んでゆっくりうなずいた。
「じゃあ……。相談者は息子が呪われてるって主張してるの」
僕が心配したよりは、単純な事件なのかもしれない。
「相談者はいわゆる見える人ってやつですか」
「彼女は違うわ。思い込みよ」
お義姉さんは顔の前で何か追い払うように手を振った。
「くだらない」とでも言いたそうだった。
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