26: ◆3/LiqBy2CQ[sage]
2011/09/15(木) 20:24:23.90 ID:+wTNpPwyo
唯「――っ!? ムギちゃん!? どうしたの!?」
『何か』に驚き、跳ね起きた唯ちゃんが鬼気迫る表情でこちらに迫ってくる。
鬼気迫る表情で。
鬼気迫る。
そんな怖い顔しないで。
と言っても無理か。私は、唯ちゃんを壊しちゃったんだもんね。
そうだよね。唯ちゃんは、私を憎んでいてもおかしくないよね。殺したいほど憎んでいても仕方ないよね。
でも、ごめんね、唯ちゃん。
……その顔は、見たくないの。
唯「ムギちゃ――」
紬「ひいっ! ひゃ、ああああああああ!!!」
唯「ま、待ってムギちゃん! どこ行くの!?」
逃げなきゃ。
唯ちゃんの顔が、怖くて仕方ないの。
唯ちゃんの顔を、見たくないの。
なんでかな?
怖い。怖くて仕方ないの。
唯「待って……ってば!!」
紬「あうっ!!」
ああ、どうしよう、掴まっちゃった。
腰のあたりに重みが。後ろからのしかかられてるような重みが。
唯ちゃんだ。きっと唯ちゃんだ。怖い怖い唯ちゃんだ。
唯「ムギちゃん! 落ち着いて! どうしちゃったの!?」
重みは、腰のあたりから少しずつ上がってきて。
きっと上まで来たら、顔が見える。怖い顔が見える。怖い顔をまた見ないといけない。
やだ。
やだ。
やだああああああああああああ。ああ。あ。
紬「あああああああああああああ!!!」
ブチブチ、と。
何かが千切れるような音を、聴いた気が する。
そして、目の前が、まっくら に。
唯「ひいぃっ!? あ、ひっ、ムギちゃ、なに、して、め、め、目ぇっ…!!!」
ああ、良かった。真っ暗だ。
これで 怖い顔は 見なくて 済む。
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