17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(愛知県)
2011/09/16(金) 20:44:04.07 ID:vC4YIqg+0
「まあ大丈夫だよ。心配すんなって」
そう言って阿良々木先輩は笑った。
そう言うのなら、そうなのだろう。信じようと思う。
しかし。
「戦場ヶ原先輩は、昔、病弱だったんだ……その頃の戦場ヶ原先輩を、阿良々木先輩は知らない」
「知らないけど僕には分かる。彼女のことだからだ。あれは単なる風邪なんだ」
「もし違ったらどうする!」
「もし? もし……病院に連れて行くぐらいだな」
「それでいいのか。もし戦場ヶ原先輩が本当に不治の病に侵されてしまったら」
「そうだな……それは駄目だな」
そう言って阿良々木先輩はため息をついた。
「何を言っているのだ。その前に手を打つのが彼氏だろう」
「彼女を信じることも彼氏の役目だ。いちいち騒ぎ立てると病人の迷惑だぞ」
「騒いで損になることもあるまい」
「どうかな。神原が騒いでると知ったら、戦場ヶ原はわざと気丈にふるまってしまうと思うぜ。先輩としてな」
「…………」
「まあお見舞いくらいはしてもいいと思うぞ。幸い僕たちは風邪が効きにくい体質だろうし」
「阿良々木先輩は余裕だな」
「ん?」
「いつも、戦場ヶ原先輩のことばかり考えている……私よりもずっとずっと」
「いやーでもお前に勝てる奴はなかなかいないと思うぞ。お前ほど戦場ヶ原のことが好きになった奴はいないだろう」
「そうだが……必要な時に傍にいるという役目を果たしたのは阿良々木先輩だ。時間と言うものでは埋めきれないものを」
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