過去ログ - マミ「鹿目さん、私のご飯は…?」まどか「昨日食べたでしょ」モグモグ 分岐ルート
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582:ほむマミ派(寄り道) ◆CuwcoLXTJ2[sage saga]
2012/07/26(木) 18:39:29.28 ID:gm4fmoEAO


 偶に立ち寄っていた書店が目に入る。 中に入る用事は今のさやかにはない。

 自覚しながらも、脚は勝手に自動ドアの方へ。 その存在を認めた瞬間、こうなることはわかっていた気がした。


 学生に、サラリーマンに、書店員に、そのいずれでもないように見える人達に。 うざったくない程度に店内は賑わっている。

 自分は、いったい何処に含まれるのだろう? 他の人から見て、今の自分はどういった人間に見えるのだろう?

 全く持って無意味な時間つぶし。 逃げの思考。 昨日の朝の決意はもうしぼみかけていた。


 一度、溜め息をつく。 背筋を伸ばし、ファッション誌の置いてあるコーナーへ向かう。

 整然と並べられたカラフルな表紙の数々に目配せした上で、適当に取った一冊を適当に開いた。

『いかにして周りから際立つことが出来、そして、周りから浮かないように出来るのか?』

 欲深く、矛盾を孕んだ内容を見かけ上品に言い換えた、メーキャップ術の特集記事が目に入る。

 今現在の美樹さやかにとって、自身に施すメイクは対外的なマナーと、着ている衣服とのバランス調整以上の意味を持たない。

 どうやって上手く誘う、とか、誘われる、といったページを熱心に読み込むような経験もなかった。

 読み込まないようにしていたのかも、とふと思う。


 唐突に佐倉杏子のことを思い起こした。 さやかが彼女を身綺麗に整えてあげようとすると、全力で嫌がられた記憶が蘇る。

 犬に服を無理矢理着せようとする飼い主と、言うことを聞かない生意気な犬を自分達に重ね合わせていたこともあったような。

 実に失礼極まりないが、そのことはさやかの胸の内だけの話なので、まあ許してもらえる範囲内だと自己完結した。


 我に返る。 そんなことをのんびりと思い返している場合ではない。


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