過去ログ - ほむら「あなたは……」 ステイル「イギリス清教の魔術師、ステイル=マグヌスさ」
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429:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(新鯖です)(神奈川県)[saga]
2011/11/29(火) 02:34:04.90 ID:4wKwex/4o

――自分には自分の言い分があるように、相手にも同じ言い分があるのだ。
 だったら、話さないまま説得しようだなんて考え方は。
 あまりにもおこがましい物なのかもしれない。

 ごくりと喉を鳴らした音が響く。
 果たしてそれは、まどかのものだったのか。それとも詢子のものだったのか。

まどか「……わたし、ね。わたし、このこの一ヶ月で、色んな人と出会ったんだよ――」

 震える唇を抑え付けるように無理やり動かして、まどかは静かに語り始めた。

 全ての始まりは、ささいな夢だった。
 それからステイルとほむらが転校して来て、使い魔に遭遇し、憧れの人……マミと出会った。
 魔法というものに触れ、次に魔術というものを知り、世界の広さを嫌になるほど思い知らされて。
 さやかが契約し、マミが魔女になり、杏子と出会い、今度はさやかが魔女になって、それから、それから。

 ところどころ伏せたし、省略したけれど。
 それでも決して短くはないまどかの話を、詢子は黙ったまま聞いてくれていた。

まどか「――だから、わたし、みんなと同じ目線に立ちたいの」

まどか「魔法少女になるかどうかは決めてない、決まらないけど……それでもわたしは行きたいの」

まどか「……信じられないよね、こんな話。でもこれは」

詢子「信じるよ」

 ほんの一瞬の間すら許さず、詢子は頷いた。
 その言葉はまどかの胸に深く突き刺さり、同時に思考をかき乱していく。

まどか「――っ! うそだよ! そんな、こんな話、急に聞かされて、それで信じるなんて! できっこないよ!」

詢子「アタシの娘がそうだって言ってんだ。母親のアタシが信じてやらないでどうすんだ」

まどか「そんな……そんなの……!」

 必死に力を込めなければ音を鳴らさなかった喉から、嫌になるほどに音が漏れていく。
 それを聞かれまいと口に手を当て、嗚咽を殺し、溢れ出る涙を空いた手で拭う。
 嬉しかった。
 荒唐無稽な話を前にして、信じると断言してくれた母の言葉が。



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