過去ログ - ほむら「あなたは……」 ステイル「イギリス清教の魔術師、ステイル=マグヌスさ」
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787:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/02/20(月) 04:04:12.24 ID:gOl/dYXso

 批判めいた建宮の声を背に受けながら、左肩にキュゥべぇを乗せたまどかは立ち止まらなかった。
 身体を覆う、陽炎のようなヴェールが消えてゆく。
 それは事前に説明されていた、土御門のフォローが途絶えたことを現していた。
 もう自分の姿は皆に見えている。

 結界まで、あと残る距離は一〇〇メートル近く。

 それまで足を止めることは、絶対にあってはならない。

「何としてでも止めろ対馬ぁ!」

 建宮の声がして、まどかは地面に落としていた視線を正面へと向けた。
 手前、数十メートルの位置に、天草式に所属する女性の魔術師、対馬がいる。
 彼女はこちらに向けていた背を逸らし、半身をこちらに向けた。
 その手元にはなにやら難しそうな道具が並んでいて、結界をどうにかする物だとまどかは察した。

 向こうは思うように動けない。
 だったらこちらがずれれば、それでどうにかなる。
 そう考えてわずかに進行方向をずらしてから、まどかは対馬の左手が掲げられていることに気付いた。

「来るよ、まどか!」

 キュゥべぇの言葉で、まどかはようやく相手の意図を察した。
 何かを投げる気だ。誰に向かって?
 考えるまでも無く、自分に向かってだ。

(どうしよう、私……)

 彼女は自分よりもずっと強い人だ。まともに投げられたら避けることは不可能だろう。
 相手が狙う場所はどこだ?
 手前には少し高いコンクリートブロックがあるから足元は狙えない。とすると上半身だ。
 両手、それはないだろう。激しく動かしているからまともには当たらないはずだ
 となると胴体か頭。恐らく胴体――胸か鳩尾狙いだ。
 先ほど建宮が剣の柄を投げた光景を思い出して、まどかはわずかに身体を震わせた。

(あんなの当たったら、絶対倒れちゃうよ……!)



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