過去ログ - ほむら「あなたは……」 ステイル「イギリス清教の魔術師、ステイル=マグヌスさ」
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828:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/03/01(木) 02:08:51.19 ID:nPimD933o

 さやかが言葉を漏らすのと、ステイルが駆け出したのはほとんど同時だった。
 普段のステイルからは思いも寄らない早さだ。
 少女と――魔女とステイルの距離が見る見るうちに詰められていき、限りなくゼロに近づく。
 ステイルが炎の剣を魔女目掛けて叩き込んだ。

「え、あっ、ええ!?」

 今度こそ、さやかは自分の目を疑った。
 ステイルが消えた。彼が叩きつけようとしていた炎の剣も、その残滓たる陽炎も撒き散らされた火の粉も無い。
 戸惑いを露にするさやかに、嫌になるくらい落ち着いた声がかかる。

「右を見な」

 弾かれるように首を右へと向けて、目を見開く。
 そこには灰の地面に背中を着けて倒れたまま微動だにしないステイルの姿があった。

「なにが……なにがどうなってんの!?」

「分かんないのも無理ないね。アタシも三回食らってようやく理解したんだしさ」

 そう言って、杏子は灰の地面に腰を下ろした。
 その赤い瞳がどことなく灰がかって見えるのは、はたして世界が灰色だからだろうか。
 それとも……

「あの魔女に攻撃すると、まず最初に巻き戻されるんだ。その攻撃動作の始点にね」

「……は?」

「次に見えない力が全身に叩きつけられる。誰もその瞬間を見ることは出来ない。当人はもちろん、第三者もだよ」

 杏子の顔をまじまじと見つめる。
 嘘を言っている顔には、見えなかった。



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