過去ログ - ほむら「あなたは……」 ステイル「イギリス清教の魔術師、ステイル=マグヌスさ」
1- 20
947:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(神奈川県)[saga]
2012/05/28(月) 02:56:18.76 ID:9M6RkmvRo

 感動して心を震わせることなど、感情を持たず理解出来ないインキュベーターには不可能だ。
 関心は持っても感心はしない、驚愕はしても驚嘆はしない。
 不合理な判断や非効率な手段を選ぶ人間の美学は知っていても、真似しようとは考えない。

 それがインキュベーターだ。
 有史以前より人類に干渉し続けてきた宇宙を生きる種族の考え方だ。

 だというのに、

「なるほど。これが感動するということなんだね」

 インキュベーターの思考を遮って、言葉が漏れ出た。
 インキュベーターではない、キュゥべぇが身体の中に持つ、意思を伝える機関から。
 まるで溢れ出る感情を制御し切れないとでも言いたげに、ほとんど無意識の内に――

「だけど不思議だ。どうして僕が感動できるんだい?」

 先ほどとは違う、制御された言葉を発する。
 ようやく状況が掴めて来た。今、この『個体』に起きている異常が。
 だからこそ分からないのだ。なぜそうなってしまったのか、その理由が。

 対するステイルは、ゆっくりと足を構え直して片膝立ちの姿勢に移った、
 出血は既に止まっている。焦げた肉の臭いがするのは――嗅覚器官の不具合ではないだろう。
 寝転がりながら、出血を止めるために傷口を焼いていたのかもしれない。
 火傷治癒に慣れている彼ならばそう難しい芸当ではないはずだった。

「まどかの言葉と、君の不自然な行動を照らし合わせて思考すれば嫌でも分かるさ。これでも思考は得意でね」

 ステイルの言葉には、どこか自嘲的なユーモアがあった。
 それを無視して、インキュベーターはその言葉の真意を測ろうとする。
 鹿目まどかの言葉……その意味は分かる。だが不自然な行動とは何を指しているのだろうか?



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
1002Res/928.67 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice