過去ログ - ほむら「あなたは……」 ステイル「イギリス清教の魔術師、ステイル=マグヌスさ」
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(神奈川県)
[saga]
2012/05/28(月) 02:56:54.31 ID:9M6RkmvRo
インキュベーターは純粋な疑問を抱いて沈黙を保った。
その態度を見たステイルは満足そうに鼻から息を吐き、口角を吊り上げる。
「君とまどかは、恐らくほむらの――いや、暁美ほむらの記憶を追憶したんだろう。
僕の知るほむらと、僕の知らない暁美ほむら。つまり別の世界の、食い潰されたほむらの記憶を」
もたらされた言葉は、しかしインキュベーターの求める答えとは微妙に逸れた物だ。
ほむらの記憶の追憶と今回の事と一体何の関係があるというのか。
その先を求めるために、キュゥべぇは頷いて話を進めるように促した。
ステイルの表情に哀れむ色が芽生える。
「あれだけの殺気を出していながら君はまだ気付いていないのか。相当鈍感だね」
「殺気……? それはともかくとして、君たちは僕らのことを鈍感だと言うけどね。
そもそも僕らには感情が無いんだ。本来なら、先ほどのような感動を覚えることだって出来ない」
「本当か? ただの一度も、感情が芽生えたことは無いのか?」
「そういった個体もいるにはいるけど、それは長い間活動しすぎた個体に生じるきわめて稀な精神疾患だよ」
「じゃあそういうことだろう。君も、その精神疾患にかかっているのさ」
キュゥべぇの身体が、インキュベーターの思考が、ピタリと固まった。
「ほむらが繰り返した回数を、僕は知らない。
しかし普通の人間なら諦めて当然なほどに過酷で長いものだったであろうことは分かる」
そこで一旦言葉を切り、ステイルの身体ががくりと前に傾く。
しかし次の瞬間には姿勢を水平に戻し――気付けば彼は両の足で地面に立っていた。
既に体力を幾分か取り戻しているのだ。
「もしも繰り返した回数が一〇〇回以上なら、一〇〇人以上の暁美ほむらが潰えたことになる
ならばそれをまどかと共に見た君の活動期間もそれに比例して長くなるのが道理という物だろう」
否定は出来ない。
主観時間での出来事に過ぎないとはいえ少なくともこの個体はまどかと共にそれだけの時間を生きた。
差異は少ないが、それでも懸命に生きようとする何百人もの少女の記憶を覗いた。
ある時点で必ず未来が途絶えてしまう、何の罪も無い哀れな少女達の心をその魂で目撃したのだ。
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