過去ログ - ほむら「あなたは……」 ステイル「イギリス清教の魔術師、ステイル=マグヌスさ」
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(神奈川県)
[saga]
2012/05/28(月) 03:05:22.77 ID:9M6RkmvRo
――火の首領が焼き尽くした森の主は、ある属性を秘めていた。
“地”もそうだが、もっと別の、主の代名詞とも呼べる属性を。
この世の条理から外れた、理不尽なまでに異常な“混沌”を。
邪悪な色の混ざった、恐ろしいまでにおぞましい“翼”を。
千にして無貌と呼ばれる神の、その“顔”を。
あのつぎはぎの魔女も、持っている。
混沌と、翼と、そして千には及ばないまでも――百以上の貌(じんせい)を。
(……劣化レーヴァテインだと思っていたが、今回は相性に助けられたな)
かつて、相手にルーンを刻み込んで焼き尽くす霊装があった。
科学側の技術を取り入れて伝承を無理やり再現した風を装う、見かけと小細工だけの霊装だ。
ステイルの扱う術式は、本来であればそのつまらない作品よりも遥かに劣る失敗作だった。
なにせ属性を用意するだけで気が遠くなるような時間が掛かるのだ。
そして仮に再現出来たしても、中途半端であれば威力は雀の涙。
だが、もしも属性を限りなく再現した場合の威力は計り知れない。
例え恒星の炎でなくとも、相手が混沌ならば恒星に見立てた炎は恒星と同じように働くのだ。
人には無害な明るいだけの炎は、しかしあの魔女にとっては数千度の炎にも匹敵する灼熱の地獄同然。
――にもかかわらず、その地獄はステイルの視線の先であっという間に掻き消された。
(出来るのは時間稼ぎが精一杯だと、分かってはいたが)
自身を焼き尽くす設定の炎を、魔女の背から溢れる粘液の翼が塗り潰したのだ。
時間遡行を繰り返す内にその身に束ねられた異常な因果の総量を考えればなんら不思議ではない。
火種は一つのルーンに過ぎない。ステイルがあらかじめ注いでおいた少量の魔力が途切れれば消えるのは当然だ。
しかし、それにしたって早すぎる。せめてあと十秒持ちこたえてくれれば――
「君が選ばれた天才だったら話は変わっていたかもしれないね」
薄まる炎の波から姿を現したキュゥべぇがいけしゃあしゃあと言った言葉に、ステイルはしかめっ面を浮かべた。
何をいまさら言っているんだ、この生意気な使い魔は。
「……僕は昔から、選ばれない事に縁があってね」
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