過去ログ - 一夏「鈍感なフリをするのに疲れた」
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653:蒼 ◆sWqJINogT.
2011/11/24(木) 02:27:35.90 ID:k1DK6tElo
「千冬姉っ……俺、もうっ」
「あっ、あんっ、はぁっ、私の―――わたしの、モノだっ!」
「ぐっ……!」
「あはぁぁあぁあぁぁぁぁっ……!」
そういって―――同時に、果てた。
ドクン、ドクンと俺の精が千冬姉の中に注ぎ込まれていき、それに呼応するように千冬姉がビクビクとカラダを跳ねさせた。
「「はぁ……はぁ……」」
「いち、か……」
「千冬姉……」
触れるだけのキスを、何度も交わし合った。
事後、少し休んでから他愛のないピロートーク。
「なぁ、千冬姉」
「なんだ?」
「……いや、やっぱり何でもない」
どうしてこんなことを、と聞こうとしたがやめた。
千冬姉の叫んだ『お前は私のモノだ』という言葉に、全てが詰まっているのだろう。
「そう、か」
明日も平日、朝は早い。
けど今だけは、この時間だけは少しでも長く持っていたい……言葉は交わさずとも2人の想いは同じだった。
その日はそのまま、抱き合って眠った。
◇
翌朝、目覚めのキスを交わしてシャワーを浴びる。狭い個室だけど、互いの存在がより近くに感じられた。
これから千冬姉は出勤だ、俺も授業を受けなければならない。
身支度を済ます。
この部屋で過ごすのも昨日と今で最後だったという事実が、今さらながらに思い出される。
それを察したのか、千冬姉は俺の目を見て告げた。
「……部屋のキーはそのまま持っていろ」
「え、それって」
「言わせるな、バカ……」
最強と呼ばれた女、その名はブリュンヒルデ―――織斑千冬。
今、俺は誰もが知らない彼女の本当の顔をまた一つ見ることが出来た。
一つは顔を赤らめてそっぽを向いたこと、もうひとつは―――やはり歩きづらいのだろうか―――ひょこひょこと歩いていく姿。
廊下に出たときからいつものように振る舞うだろう、それまでの間に見れたこと。
“最強”に似合わぬその姿は少しだけ格好悪くもあり。
それをむしろ誇らしいと語る背中は―――“嬉しさ”という、俺の心を確かにくすぐった。
〜Fin〜
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