861:ブラジャーの人[saga]
2012/02/24(金) 23:12:29.96 ID:BkRFYL8S0
「あー、また緊張してきたなぁ。もう早く終わんないかなぁ。でも始まるとなるとドキドキ☆すんなぁ」
「うるせェなァ…」
椅子から立って、そわそわと歩き出す浜面。結婚式に臨む男というのは、皆こんな風なのだろうか。彼以外に新郎に会ったことが無い一方通行には判断がつかない。
ただ、上条は「あ、久しぶりに浜面が動いてる」と言っていたので、精神面では、これでも落ち着きを取り戻しはじめたらしい。
さっきまでは、古いねじ巻き式の人形程度にしか動いてなかったのだそうだ。
「滝壺はどうしてるんだろ…」
浜面が窓の外を眺める。視線は建物の外壁をなぞり、滝壺理后の控室辺りを見ているのだろう。
「ン? オマエらまだ籍は入れてねェのか?」
「いや、今朝一番に婚姻届出して受理されたけど」
「じゃァもう『浜面理后だろ』
「あ、…いや分かってるけど、長年そう呼び続けてるもんでつい」
彼らはお互いのことを名字で呼び合っていたので、急に変えようと思っても、そう上手くはいかない。
特に、浜面が妻のことを「滝壺」と呼ぶのはおかしい。
「その点、一方通行も上条もいいよな。昔っから名前呼びだもんなー」
「………」
「………」
「二人とも静かになっちゃってどうした」
「いや…」
「別にィ…」
『そうだな、俺は結婚しても、コイツのように呼び方で頭を悩ます必要がなくてラッキーだぜ』
ごく普通にそう考えてしまい、その未来予想に気を取られてしまった一方通行と上条当麻なのであった。
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