868:ブラジャーの人[saga]
2012/02/24(金) 23:35:55.57 ID:BkRFYL8S0
「それでは、指輪の交換と、誓いのキスを」
もう腹が据わったのか、浜面の挙動に不自然なところはない。お互いの左手薬指に、金のリングが光る。
顔を上向けた花嫁に、喉を鳴らした花婿が口づけた。
「ここに、二人が夫婦になったことを宣言します」
(無理無理無理無理、絶っっ対ェ無理ィ。なンだこれ)
頭の中で、ぶんぶん首を振った一方通行。そのとき打ち止めは…
「はぁぁぁぁ〜、…しゅてき、ってミサカはミサカは…」
キラキラキラぱぁぁぁ、という、光と花の特殊効果まで見えるようだ。
(……こりゃ決定だな)
一方通行も覚悟を決めた。願わくば、この覚悟が変わらず持続しますように。
その後、参列者は教会の外で主役たちを待ち構える。これから花嫁から投げられるブーケを狙い、鼻息荒い女性達。打ち止めもその一人だったが、
「やめとけ。ここにいる女達はどいつもこいつも普通じゃねェ。巻き込まれたら事だぜ」
「うぅ、でもブーケ…」
「…オマエはブーケ無くても結婚は約束されてンだから、他に譲ってやれよ」
そう恋人に説得されて、ころりと態度を改めた。
果たして一方通行の推察は正しく、約三分間の攻防の末、哀れブーケは<原子崩し>の一撃を受けて、塵も残さず消え去った。
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