過去ログ - まどか「無限の中のひとつの奇跡」
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39: ◆oQV5.lSW.w[sage saga]
2011/10/07(金) 02:17:03.18 ID:t06ma3WT0
「魂そのもの?」

「言葉通りの意味。ソウルジェムを砕かれれば死ぬし
 大体100m以上離れれば、肉体を動かすことは出来なくなるわ」

マミさんの代わりに、ほむらが答える。
想像だにしていなかったドギツい内容を。

「その代わり、頭を撃ち抜かれようと、心臓を貫かれようと
 魂が耐えられる限りは、身体を動かし、戦い続けることが出来る。
 行動に支障が出るようなら、痛覚を遮断してでもね」

「え……何それ――
 そんなの、まるでゾンビじゃない……」

「君達は本当に、その表現が好きだね。
 だけど何故、本体がソウルジェムであると知りながら
 最早外付けのハードウェアでしかない肉体に主眼を置いた表現を使うんだい?」

キュゥべえも会話に割り込んでくる。
その可愛らしい外見とは真逆の、ドス黒い思考を曝して。

「それに魔法少女となったものは、むしろ普通の人間よりも遥かに効率的に
 肉体の生命活動を維持し、その機能を運用することが出来るんだ。
 それなのに、魂が身体の中に無いと死体扱いだなんて、君達は実に不可解だよ」

……え?何気分悪くなることをペラペラ語ってんの?こいつ?
ゾンビがどうこうなんてどうでもいい。あたし達が問題にしてるのはそんなことじゃない。
そもそも身体から魂を抜くとか、悪魔そのものじゃないか。


「――でも、認めるのは辛いけど、確かにそう呼ばれてもしょうがないのよね。
 痛覚を遮断して、取れた脚を自分で繋ぎ合わせる
 そんな行為に慣れてしまうのが、『魔法少女』だから」

「ゾンビとは呼ばれたくないし、死体であるとも思わないけれど
 もう人間と呼べる存在で無くなっていることは、否定しようのない事実よ」

もう人間じゃない、そんな重い事実を、ただ静かに肯定するマミさんとほむら。
けど、私には、とてもそんな風には見えない。
だって二人とも、外見も心も、全く普通の人間に見えるし。

「それでも、私は私。人間で在った頃と、その魂は同じ。
 この世界から消え去る最後の瞬間まで、『暁美ほむら』で在り続けられるのなら
 私は、それだけで充分」

「私もね、魂だけかもしれないけど、私はちゃんと生きているって、思っているの。
 だって、そういう契約を結んだんだから」

というか、誰よりも人間らしいじゃないか。
悪魔と契約して、人間で在ることを止めてまで
あの白い巨人――魔獣から街を守ってくれているなんて――


あたしの中で、二人への尊敬と感謝の念が大きく膨れ上がっていき
そしてそれに反比例して、白いけだものの地位は、奈落の底まで転落した。


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