過去ログ - まどか「無限の中のひとつの奇跡」
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43: ◆oQV5.lSW.w[sage saga]
2011/10/07(金) 02:21:34.65 ID:t06ma3WT0
「『願い』についてはこんなところかしら。ええと、あと説明しておくべきことは――」
何かを思いつき、少し意地悪そうな笑みを浮かべて、マミさんが振る。
「何かしら?真矢さん」
「――え、えと……魔獣と、グリーフシードについて、ですか?」
うつむき加減に小さい声で答えるエリ。うーん、なんか加虐心をそそる子だ……
「そんなところね。後は『円環の理』かしら。
そうね、折角だから、魔獣については真矢さんが説明してみる?」
ああ、マミさんが可愛い後輩を苛めるお姉様モードに……
「え、いえ、私は……」
「この前教えたことをそのまま伝えればいいわ。足りないところは私が補足するから」
ああ、ほむらも愛の鞭を振るう先輩モードに……
いかんいかん、最近のあたし、仁美の毒が脳に回り始めてる。
「は、はい……」
覚悟を決めたのか、やたら気合を込めた目で私を見つめ、エリが語り出す。
「えと、世界に、歪みとか呪いとか、負のエネルギーが、瘴気として溜まって
それが濃くなると、魔獣が発生します」
会話に慣れていない所為だろうか、やたらと細かく区切る口調。
「違う世界の存在なので、普通こちらの世界に、物理的な被害を、与えることはしませんが
人間の感情を吸い上げて、不安定にします。酷い場合は、廃人になります」
だんだんと早口になっていく。きっと鼓動もどんどん早くなってるんだろうな。
「それで魔法少女だけが、魔獣の領域に乗り込んで、対等に戦うことが、出来ます。
なので魔法少女の、資質があると、領域に引きずり込まれて、襲われたりします」
すでに耳まで真っ赤。この子、こんなんで日常生活、大丈夫なの?
「えと、他には……」
「大体合っているし、普通に理解する分には、そんなところで良いと思うわ。
存在理由とか目的とかになると、仮説の域を出なくなるし」
「上出来よ、真矢さん」
「……はい」
苦行から解放され、全エネルギーを使い果たしたかのように、テーブルに突っ伏せるエリ。
――あたしはこの子を全面的に応援する。頑張って、強くなれ。
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