過去ログ - まどか「無限の中のひとつの奇跡」
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71: ◆oQV5.lSW.w[sage saga]
2011/10/13(木) 02:43:05.08 ID:oIK4Qu7A0
「マミさん!血が、血が止まらない!!」
胸は微かに上下に揺れている。まだ息はあるみたいだけど――
「少しだけ待って!何とか止血だけして!!」
既に二人は魔獣共と交戦を始め、あたし達との間には障壁が貼られている。
「下手に障壁を解くと、貴方達も危険。
速攻で殲滅するから、何とか持たせて」
「何とかって――」
「――これ」
エリが差し出したのは折れて短くなったビルの鉄筋。
「うん――やってみる」
落ちていた園芸バサミで肩口から制服の袖を切り裂き
前腕に巻きつけて、力一杯鉄筋で締め上げる。
「――あ、あは……」
止まった。何とか血は止まった。荒いけど、ちゃんと呼吸もしている。
へたり込んで安堵の溜息。これでマミさんが来れば、もう大丈夫。
程無く、再度景色にノイズが走り、世界の色合いが元通りになった。
「もう大丈夫よ。少しだけど、血も造っておいたわ」
まだ少女の意識は戻らないけど、呼吸は大分落ち着いてきたみたいだ。
顔色は白いままだけど、本来なら輸血が必要なくらい失血してるし、それはしょうがない。
「魔力で造る間に合わせの血だから、私達の身体ならともかく
普通の人間の身体に造り過ぎるのは、ね。
でも一応、命には別状の無いレベルの筈よ」
向こうではほむらの付き添いでエリが吐いている。多量の血の匂いにむせてしまったらしい。
あたしも最前から気分はあまり良くない。手も服も血まみれだし、胃はむかむかする。
でもマミさんもほむらも、この惨状に動じている様子は無い。
(魔法少女って、こういうのに慣れないといけないのかな……)
今更ながら認識の甘さを自問するあたしの傍らで、
血溜まりの中から園芸バサミを拾い上げ、マミさんが呟く。
「――きっと何かの理由で心が沈んでいたから
魔獣の影響で感情が大きく不安定になってしまったのね……」
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