過去ログ - まどか「無限の中のひとつの奇跡」
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72: ◆oQV5.lSW.w[sage saga]
2011/10/13(木) 02:44:08.01 ID:oIK4Qu7A0
「どうやら彼女にも、魔法少女の資質がありそうだね。
はっきり言って足手纏いレベルの素質でしかないけど」
気使いなどとは無縁のキュゥべえの、余りにも酷い台詞。
こいつはさっきまで、マイペースで黙々とグリーフシードを回収していた。そういう奴だ。
「でも――それでも魔法少女なら、魔獣の影響は受けないんじゃ?」
「候補というだけでは普通の人間よ。特別な耐性がある訳じゃない。
心に隙があれば、そこからどんどん引きずり込まれていくわ」
「エリも、そうだったわね」
「――はい」
エリも少しは落ち着いたらしいけど、まだ顔色は悪い。
――この子は絶対魔法少女にはならない方がいいと思う。神経が過敏すぎる。
「それでは――私の家の方が少し近い。まずはそこに彼女を運びましょう」
少女を抱きかかえたほむらの背中から、純白の翼が展開する。
それは大きく広がってあたし達全員を包み込み、血の染みを吸い取って赤く染まっていった。
「これで通報される心配も無くなったわ。行きましょう」
血に穢れた翼を消し、来た道を戻ろうとするほむらの足は、しかし何かに気付いて止まる。
マミさんがその視線の先を追い、そしてその――誰かの名前を口にした。
「――佐倉さん――!?」
風が、荒れてきた。
蝙蝠の飛び交う中、沈みかけた陽を背に、50m程先の街灯の上に座っていたのは
何かを食べている、赤く長い髪を風に棚引かせる少女だった。
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