過去ログ - 佐天「もう何も、私から奪わせるものか」
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13:と思ったら今日の投下分がもう少しあったので投下[saga]
2011/10/11(火) 02:29:17.15 ID:GCgBMSWlo
「佐天さん」

何故だか私は、小さくなっていく後姿に向かって声をかけずにはいられなかった
その背中は、とっても小さくて、今にも潰れてしまいそうな程弱弱しく見えて
このまま行かせてしまえば、今度こそ会えなくなるような、そんな漠然とした不安に駆られたから

「またね」

別れの挨拶、というよりはまた会えるという事の確認がしたかったのかもしれない
佐天さんは立ち止まって、長い黒髪を手で抑えながら、こちらを振り返る
その拍子に、肩や髪に乗っかっていたピンク色の花弁が空中へと四散していく

「はい」

ヒラリヒラリと舞い落ちてきたたくさんの桜の花びらが、突然吹いた風に乗って私と佐天さんの間に舞い上げられた
何だか、散ってしまった花びらが最後の最後、ほんの少しだけ残った魂を散らして見せてくれたような、そんな幻想的な光景だったけど、私はそれよりも佐天さんが見せた笑顔に釘付けになっていた
どこか寂しそうで、苦しそうで、切なそうで、今にも消えてしまいそうな笑顔


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