過去ログ - 杏子「あいつが、居なくなった世界で」
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11: ◆h4ONJivhRc[saga]
2011/10/13(木) 14:40:44.85 ID:psu+yEAd0



ウィイン、と自動ドアが開き、流行りのBGMがかかっている店内に入っていく。
いらっしゃいませー、と店員だかバイトだかが言った気がしたが、杏子にとってはどうでも良かった。

コンビニらしく、調理済みの食品やパンやおにぎりが並んでいる。
どれにしようか、と思ったが、どれでもいいか、と思って手近なものに手を伸ばした。

『ちゃんとお金は払いなよー、盗んだ物なんておいしくないでしょ?』

目を見開いて、勢いよく振り向いた。
けれど、そこには誰も居ない。
居るはずはない。

自嘲した。
幻惑魔法の使い手が、幻聴を聴くなんて皮肉な話だ。

少しだけ、乾いた笑いが漏れた。
そうして、溜息が出た。

思っていた以上に、自分がさやかに影響されていることに呆れた。
首をふるふると横に振って、手近な商品を適当に選んだ。

長々とここに居ると、また聴こえてきそうだったから。



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