過去ログ - 撫子「これも、また、戯言なんだよね」
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61:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします(東京都)[sage]
2011/10/17(月) 01:05:26.12 ID:ebFiQ8E3o
「では、阿良々木先輩、封筒からお札を、私が取れる程度に出してくれ」

「…………」

 あれ、この状況、なんかおかしくないか?

「あのさ……さすがにこういう作業のときくらいは手を離したほうがいいんじゃないかな?」

 慣れてきてしまったので、そのまま流してしまいそうになってしまったが、腕がこのま

まじゃ、貼ることはできないんじゃないか?

「いや、だから、私が中から取り出しやすいように、まず封筒を開けて欲しいのだが……」

「いや、だから、きみが中から取り出すためには、まず絡まっている腕を解かなくてはな

らないのだが……」

「さっきも忘れてしまったのだが、『きみ』じゃなくて『駿河』だぞ」

「……………………駿河、まず手を解かないか?」

「…………」

「…………」

「…………」

「…………」

 ああ、もう、全くこの後輩は……。

 僕は封を開け、両サイドを持ち、ひしゃげさせることで、手が入る分くらいの空間を作

る。……何でこんなまどろっこしいことをしなければならないんだ。

「夫婦二人、初めての共同作業だな」

「今なんか言った!?」

「なんでもない」と、神原駿河は明らかな嘘を吐き、封筒の中のお札をその綺麗な左手に

取り、戸に貼った。

 …………阿良々木『先輩』ではなかったのだろうか。

 この子のキャラもまた、この神社とまではいかないが、崩れかけてきている。

 真面目で素直、清楚な百合スポーツ少女だったはずなのに、この一週間で早くも清楚と

百合以外の全てが塗り替えられてしまった。

 僕の所為だろうか?だとしたら、やはり謝罪するのは僕の方だ。



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