過去ログ - トレイン「超電磁砲?」
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2011/12/24(土) 23:29:38.38 ID:MsIdTHw00
「少し、わたくしの能力についてご説明いたしますの」

それを確認して、黒子はゆっくりと話し始める。

「お察しの通り、わたくしの能力は空間移動。一瞬で離れた場所へ移動する事が可能ですのよ。それはわたくし自身だけでなく、わたくしが触れていた物も同様に」

反応を窺う様な黒子の話し方に、それでもトレインの表情は変わらない。

「そして、移動した物は元々そこにあった物を押し退けて転移する」

ゆっくりとした動作で、黒子は右腕を上げ、トレインの左肩を指差した。

「丁度、その様に」

黒子の言葉を最後に、二人の間に沈黙が流れる。

トレインは黙ったまま左肩に右手をやり、刺さったままの鉄矢を引き抜き無造作に投げ捨てた。

渇いた音が響き、赤い線を引きながら鉄矢が地面を転がる。

「大怪我をする前に諦めては如何でしょう。わたくしとしても、この様な使い方は本意ではありませんし」

黒子にとっても、これは賭けだった。

状況にもよるが、相手の体内へ直接異物を転移させる事は、彼女にとって最終手段に近い。

それをあっさりと披露して見せ、更に解説まで加えたのは、一重にトレインを諦めさせるため。

圧倒的な力を見せつけ、その後で逃げ道を用意する。

そうすると人は簡単にそちらへ流れてしまう。

その為に、黒子は奥の手を見せつけたのだ。



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