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2011/12/24(土) 23:30:10.57 ID:MsIdTHw00
「……ふーむ」
無論、これが本意ではないという言葉に嘘は無い。
彼女自身、この様な使い方をするのは相手が高位能力者である時のみだし、それでさえ今と同様、戦意を削ぎ落す為に肩や足といった命に関わらない部位にしか打ち込む事は無い。
ここまでやれば、大抵の人間は空間移動という能力の脅威に気付き、降伏する。
トレイン=ハートネットはどうか。
黒子はかつて無いほど動揺した心を抑え付けながら、静かにトレインの次の言葉を待った。
「マジメな奴」
だが、発せられたトレインの言葉は余りに想定外で、黒子の全身は硬直する。
「でも……いー奴だね」
「何を言って……」
揺さぶりを掛けたはずが、逆に自分が動揺している。
この男は、そんな事ばかりだった。
しかし、その微塵の後ろめたさも無い快活な笑顔に戦意は感じられず、その言葉も拡大解釈すれば投降の言と取れなくもない。
黒子の身体から僅かに力が抜けた。
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